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Vol.10
ESSAY
◆ 悲劇の王妃マリー・アントワネット
買い付けから戻り成田空港で携帯メールをチェックすると
「お帰り〜、待ってたよ。『マリー・アントワネット』見に行かない?」
某サークルの仲間から映画のお誘いだった。
映画 『マリー・アントワネット』、実は飛行機の中で見てしまった。
人気女流監督ソフィア・コッポラ、「スパイダーマン」のヒロインで名を上げたキルスティン・ダンスト主演、
初のヴェルサイユ宮殿全面協力の撮影ということで話題性はたっぷり。
幼くして故郷を離れ、異郷フランスの王室で必死に生きた女性の壮絶な人生を追った歴史(的?)映画です。
とにかく衣装が可愛い。
優雅に仰ぐ扇子、観劇を見るときのオペラグラス、美しいドレス、靴、ジュエリーの数々・・・
これでもかこれでもかとまでに見せつける身にまとっているもの全てが可愛い。
お菓子が、インテリアが女性心をくすぐるめくるめく宮廷絵巻。
名門ハプスブルク家に産まれた宿命とはいえ
政略結婚により14歳の少女が背負うには余りにも大きなプレッシャーであったに違いない、
嫁いだ宮廷は奇妙なしきたりが多く過大なストレスがあったであろうに
健気なまでに明るくあっけらかんと暮らすマリー・アントワネットがポップな音楽で短調に描かれていて
難しいことは抜きに見ていて楽しかった。
西洋アンティークを扱う仕事の私としては興味深々でしたが
同行した歴史研究家のF女史は「歴史上の真実や内容がきちんと描かれていない」と大不評。
はいはい、この作品を歴史映画として見てはいけませぬ。
豪華絢爛な宮廷の砂糖菓子のような甘い甘い暮らしを楽しむ映画でございます。(;^_^A
(教科書に出てくるマリー・アントワネットを撮る意味はない・・・と監督ソフィア・コッポラも言ってるの!!)
この映画への評論は賛否両論いろいろあるようですが、
歴史的背景やストーリー、人物像といった堅苦しいことは抜きに
フランス政府の全面協力の下撮影されたという鏡の間はじめベッドルームや食事室など
ため息の出るような宮廷内の様子は一見の価値があると思います。
この結末はもう皆様ご存知の通り、フランス革命後、夫(ルイ16世)が革命裁判により処刑され
マリー・アントワネットも夫の後を追うようにギロチン送りに処せられました。
処刑をされる直前、死刑執行人の足を踏んだマリー・アントワネットが言い放った
「ごめんあそばせ、 わざと踏んだのではありませんの。」
はあまりにも有名な言葉ですが、
どのような状況においても最後の最後まで気高い品格と威厳を持ち備えた王妃マリー・アントワネットらしい
なんと優雅な名言であったといえるでしょう。
この映画を見てからというもの私は彼女の最期を思うとき、
別荘(プチ・トリアノン)で自然と触れ合い子育て時代を過ごしたマリーの至福の笑顔が思い浮かぶのでした。
思えばこの頃が異郷フランスの地で必死に生きぬいたマリーの最も美しく幸福で輝いた時期ではないでしょうか。
映画『マリー・アントワネット』の公式サイトは▲こちら
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