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Vol.6
ESSAY
◆ 買い付けのエピソード
アンティークレッスンの後のお茶会で買い付けのエピソードのお話が盛り上がりました。
買い付けは親切な人との出会いや感動秘話(?)、とんだハプニングや仰天話まで
思い起こせば数えきれないほどいろいろなエピソードがあります。
一口に『買い付け』というといっけん優雅なお買い物旅行のように思われがちですが
私達にとってはビジネスの真剣勝負の仕入れの旅です。
涙あり、笑いあり、時には失敗ありの連続でした。
もう随分前になりますが、『買い付け日記』という読み物をサイトに掲載していたことがあります。
文字通り、当時の買い付け先での思い出やエピソードを日記形式で書き記していたものです。
初めての買い付けはたしか2002年春で娘を同行させていた頃の話です。
(これをご存知の方はそうとう前からのエグラン・ファンということになります?)
買い付けそのものが不慣れだった当時、まだ小さかった娘を連れての珍道中が面白かったのでしょうか、
感想や激励のメールをたくさんいただくようになり毎回大きな反響をいただいていました。
今でこそ、現地でのお買い物や電車の乗り継ぎ、車の運転、両替といったとりあえずの生活は
不自由しなくなりましたが、当時は右も左もわからない私達親子の危なっかしくもつたない買い付けぶりが
皆さんからご興味を持たれたのかも知れません。
今、こうして見るとコメディタッチでまるでお笑いコントを見ているようで恥ずかしいのですが
当時を振り返り、これをご覧になっている皆さんに少しでも買い付けのワクワク感が伝わればと思い
ほんの一部ですが再び公開することにしました。
この日記を見て蚤の市の楽しい雰囲気を味わっていただけたら幸いです。(以下、買い付け日記より抜粋)
2002/04/19(金) 快晴/はじめての買い付け
娘とのはじめての買い付け、同日PM16:00 ロンドン・ヒースロー空港着 とうとう憧れのイギリスだ〜〜〜♪
友人のバイヤーMさん(英国駐在妻@在住8年)が到着ゲートに迎えに来てくれていた。
母娘2人旅で不安でいっぱいの私たちでしたが、彼女の飛びきりの笑顔に思わずホッ。
「ロンドンはここ数日、とてもお天気が良くて毎日暑いくらいなのよ。」
う〜ん、イギリスの空気。。。イギリスの香りだぁ。(って、どんな匂い?と聞かれたら説明できないけれど。)
12時間半のフライトの後でフラフラになりつつも地下鉄で乗り換えをしながら
なんとかフラット(アパートメント)のあるBaker Street(ベイカーストリート)へたどり着きました。
フラットはベイスメント(半地下)だけどロの字型になった小さな中庭を囲むような秘密の隠れ家という感じ。
何度も塗り直したような白い小さなキッチンと可愛い上げ下げ窓(こちらも白い窓枠)がとても可愛いお部屋です。
さぁ、ここから2週間のロンドン暮らしがスタートしました。
※ 夫は仕事の為、後半1週間から合流という予定。
2002/04/20) 快晴/いよいよはじめて蚤の市Portbello(ポートベロー)へ
初日はジュリア・ロバーツ主演映画 『ノッティング・ヒルの恋人』 で一躍有名となったノッティング・ヒルで行われる
世界最大ののみの市へ行きました。まだ乗り慣れていない地下鉄を利用して娘とドキドキしながら到着。
う"っ。。。可愛い。。この街並み。。なんて可愛いのでしょう?
東京でいうとちょうど山の手の閑静な住宅街という雰囲気。
あちこちのお家の窓から見えるレースのカーテン、お庭のバラ、白い出窓、パステルカラーのドア、
街の全てが絵になる風景。娘と感動と興奮を押さえつつ、蚤の市へ到着。
レースのお店、ホーローのお店、ブレッドボードのお店、ボトルショップetc。。。
ソーイング、ベアー、プチポワン、キッチン雑貨などなど。
うゎぁ〜〜〜〜、どのお店もかなりのツボ。。。目がはぁと♪(@_@)
初日にもかかわらず両手には紙袋いっぱいでこの日は帰宅。もうすでにお金がない。。(;^_^A
2002/04/24(水) 快晴/Angel(エンジェル)という駅のCamden Passage(カムデンパッセージ)という蚤の市へ
レース、ホーロー、アンティークボタンのお店、女の子の好きそうな可愛いアンティークショップがたくさんある蚤の市。
まずは小さなストールの並ぶ銀器やホーローのお店。
小さな可愛いおばあさんのところでプチポワンの3点セット、レース、陶器を購入。
おばあさんはお金を渡す時に
「スリには気をつけなさいね。あなた達のような日本人が一番狙われやすいのよ。」(たぶんそう言っていたと思う。^^;)
と優しく手を握ってくださいました。おばあちゃん、ありがとう。(;_;)うるうる。。。
事実、私達が見ている間にもお隣のお店の商品が無くなったと騒いでいました。
なかなか物騒なマーケットですね。(~_~;)アセアセ
2002/04/27(土) 晴れのち曇り/2度目のPortbello(ポートベロー)へ
2度目のポートベローは先週チェックしておいて気になったお店、行きたいお店に的をしぼり
効率よく見て回ることができました。
そろそろ歩き疲れたなと思う頃、小さなショップに入ったところで可愛いティディベアと目が合いました。
お店にはニコニコ顔の可愛いおばあさんが座っています。
そのベアが欲しいと言うとおばあさんは「この子?ええ、いいわよ。良い旅を続けてね。」
と優しく握手しておまけしてくれました。娘はベアの名前を 『ローリー』 と名づけました。
ポートベローではこの他にも露店でもうひとり、わらの詰まった古いベア(この子の名前は 『ルル』 )を買いました。
蚤の市ではクマを抱いた娘を連れて歩いていると行くさきざきでよく声をかけられました。
ここで出会った日本人ディーラーのT氏は、うちの娘にお菓子をくれながら
「将来、プロのバイヤーになってお母さんのショップのお手伝いをしなさい。」
なんて言っています。娘は娘で真剣に「うん、うん。」なんて頷いているし。お願いだから本気にしないでね〜。(^_^;)
最後にキッチン雑貨のおじいさんのお店で、ロバ(?)のプッシュ・トイ(手押し車)を買い、
娘が地下鉄をゴロゴロ押して歩いてくれました。地下鉄ではロバにまたがるマネをする娘に
金髪のちょっとイカつい(?)お兄さんから「これ、どうするの?」などと話しかけられました。
娘は「イギリスのアンティークを日本で売るのよ。」なんて日本語でまともに答えています。
やっぱりプロのバイヤーにしようかしらね?(^_^;)
2002/04/26(金) 雨/Bermondsey(バーモンジー)の蚤の市
夜明け前からプロのディーラーが集まる玄人マーケットとして有名なのみの市です。
この日は朝から冷たい雨が降っていました。ここのところの暖かい陽気がうそのような寒い朝です。
私も娘も厚手のセーター、レインコートにマフラー。。。完全装備で臨みます。
屋内は小さなアンティークショップがたくさん入っていてまるで宝物探しのようなワクワクした気持ちにさせられます。
買い付けを重ねる毎に娘も私の趣味がわかるようになってきました。
「あっちにママの好きそうなベアがいたよ。」「見て!!あのお店、可愛いホーローがたくさんあるよ。」
などと教えてくれるようになりました。
買い付けの心強い小さなアシスタントといったところでしょうか、
この頃から大きな荷物もがんばって持ってくれるようになりました。
この日は本当に寒かったのですが、可愛いアンティークとの出会いがいっぱいあって心はポカポカ。
フラットへ帰ってから熱々のカフェオレとホットチョコレートを飲んでから熱いシャワーを浴びて体を温めました。
2002/05/01(水) 晴れ/地方Ray(ライ)へ
今日は朝から快晴!!ロンドンから電車で郊外に行きました。
いつしか車窓は田園の風景になり、窓いっぱいに広がる菜の花畑や馬や羊の放牧、
そのうち野生の野うさぎやきつねなどを見つけてキャーキャー大騒ぎ。@うるさい親子。(^_^;)
イギリスのカントリーサイドの美しさは本当に心癒されるものがあります。
さて目的のライ駅に到着。中世の時代、港町として栄えたこの町。石畳の緩やかな坂道、可愛い窓辺、
小粋な港町どこを見ても素敵な風景です。
お洒落な石畳の下り坂を下ったところにアンティークショップ数件(10件以上はあったかしら?)がありました。
あります、あります!!キッチン系、ジャンク系、ロマンチック系、パイン家具などなど
ここが地方であることを忘れて大物ばかりの収穫です。(;^_^A
最後になかなかよい感じに古びた藤のショッピングカートを買い
リュックとカートの中はアンティークで満載、両手には小さな家具や満杯のバッグと、とんでもない量になりました。
ところがロンドン市内に戻ると夕方のラッシュにぶつかってしまい地下鉄の駅構内は人でごった返しています。
ロンドンの地下鉄でほこりまみれのガラクタ(いえいえお宝です。)をいっぱい持ったホームレスのような日本人母娘。
帰宅途中のビジネスマン&ビジネスウーマンの白い視線が集まります。
仕事とはいえさすがに気おくれする母の心情を察したのか
「さぁ、いくよー」
大都会の地下鉄でも何の恥じらいもなく娘がカートをゴロゴロ引いて歩いてくれました。
この時ほど娘が不憫に(笑)そして有り難く思えたことはアリマセン。あぁ、我が娘よありがとう。。。(T_T)
(買い付け日記ここまで)
今になって思えば当初はわからないことばかりでお金と時間の浪費ばかりしていました。
数々の失敗や苦い経験もしましたが、慣れない異国での生活は何もかもが新鮮で
スーパーで少しでも安いお買い物をして、フラットでお料理したりお洗濯したり、お花を飾ったり
贅沢ではないけれど夫と娘のささやかなロンドン暮らしは毎日がおままごとのようでとても楽しかった気がします。
旅にエピソードはつきものですが、こうしていつも幸運で素敵な思い出ばかりでいられるのも
いつも現地でサポートしてくれる協力関係者のおかげです。
今、あらためて振り返り現地サポーターの皆さんに心から感謝したいと思います。
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